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インタビュー

INTERVIEW

酒匂 浩司さん (40代) 宮崎市消防団 高岡分団 第13部

消防団に入団したきっかけを教えてください。

平成6年4月に高岡町役場に入庁したことをきっかけに入団しました。当時は、男性の新入職員は消防団に加入することが当たり前でしたし、自分の父も入団していた経緯もあり入団することに抵抗はありませんでした。その後、平成18年1月の合併を機に宮崎市消防団員になりました。

消防団ではどのような活動をしていますか?

■災害対応
一言で災害対応といっても様々です。火災では消火活動や交通誘導、風水害では地域内の巡視や、広報活動、倒木の撤去など、危険を伴う業務に従事することもあります。
■啓発活動
空気が乾燥し火災の発生しやすい冬場に夜間警備を実施しています。その他、地域の防災講座への同行も行います。
■訓練等
有事に備え、消防操法訓練、規律訓練、舟艇訓練、中継送水訓練、などの各種訓練を行なっています。
■その他
地域イベントや防災訓練への参加、野焼きや花火の延焼警戒など、地域との関わりが深い活動を行なっています。

消防団に入ってご自身に何か変化ありましたか?

入団当初、私が消防団員を30年も続けるとは想像もしていませんでした。幸運なことに、消防団員として活動しながら、役所職員として消防業務に携わる機会に2度恵まれ、消防団の内外から活動を見てきました。もしかしたら、消防団に対して「酒飲み」や「家庭不和」といったマイナスイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際の消防団の姿は、災害対応はもちろん、訓練や出初式など、多くの団員が一丸となって目標を達成するという、頼もしく、勇壮な団体なのです。過去に、宮崎市消防団の2,500人を対象にしたアンケート調査を行い、約85%もの団員から回答をいただきました。その中で、60%以上の団員が「辞めたいと感じたことがある」と回答し、「新入団員が入らないため、辞めたくても辞められない」という本音が明らかになりました。少子化やライフスタイルの変化、消防団に対する理解の低迷など、様々な要因が重なり、団員数は減少傾向にあります。私の経験から、消防局だけで全ての災害に対応することは不可能です。災害対応には、多くの人の力が必要です。消防団なしでは、迅速かつ安全な災害対応はできません。災害のニュースで「消防団」の車両や団員が映っていることに気づいてますか?この現実を踏まえ、私は団員減少を食い止めたいと強く願っています。団員が増えれば、一人ひとりの負担が減り、災害時にはより大きな力を発揮できるようになると確信しています。

消防活動のやりがい、活動してよかったこと、魅力等を教えてください。

消防団活動にはつらさや怖さもありますが、それが次第に楽しさに変わってきます。操法訓練や救命講習を経て防災に関する知識や技術が身につき、仲間も増えていきました。学生時代の部活動に似た感覚を覚えます。
消防団員としての自身のスキルアップが地域への還元につながり、結果として地域の方に感謝されることが喜びでもあります。
未だ現役で活躍されている先輩方の活躍を間近で見ると、長年続けているからこそ分かる奥深さや魅力を感じます。この魅力がこれから入団される方に伝われば嬉しいですし、これからの未来を担う若い人たちと一緒に地域を守っていきたいですね。

入団を考えている方たちにメッセージをお願いします。

消防団への入団について、多くの方が「大変そう、めんどくさい、メリットがない」と感じるかもしれません。それも無理はありません。実際に「入らなければわからない世界」だからです。「忙しいから」「自分にはできない」ではなく、「自分にも何かできることはないか?」という視点で、自分の住む地域や防災情報、火災のニュースなどを見て、その裏にある消防団員の活動に思いを馳せていただきたいと思います。
「消防団は楽しい」の一言です。団活動には非日常がたくさん詰まっています。もちろんつらいことや怖いこともありますが、同じ気持ちを持った仲間が大勢います。同級生や近所の人、会社の同僚など、消防団に入団している身近な人に話を聞いてみてはいかがでしょうか。もしご興味があれば、私、酒匂が直接伺いますので、ぜひお声かけください。

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